Sweat & Tears - 東京キッドブラザース44th - 「あなたからの贈り物・・・」 DVD予約申し込み




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林 邦應このプロジェクトの「作・構成・演出」を担当することになり “嬉しさ半分、恐れ半分”
というのが、僕の正直な気持ちです。 「東京キッドブラザース」は自分にとって大切で大きな存在で、簡単には触れられない場所なのです。

「それでは何故?」と、思われることでしょう。
今まで僕が舞台を創り続け、今回も新たに挑戦することが出来るのは・・それには、少しだけ心の拠り所があるのです。

―1999年12月、 『虹の降る場所』という芝居を終えた打ち上げの席で、小野さん、 名和さん、北村さんそして僕たちは、ある人を前に、緊張に身体を こわばらせながら座っていました。 僕たちの目の前で水で割った赤ワインを時折口に運びながら、 優しく微笑んでいたのは東京キッドの主宰者・東由多加さん。 東さんは、帰る間際こんな言葉を残してくれました。 『IOHには、 キッドブラザースの精神が宿っているように思え、観ていて嬉しかった。 このままオリジナルの世界を大切に、芝居を作り続けてほしい 』
タクシーで入院先の病院に向かう東さんを見送ってから、僕らは泣きました。 本当に嬉しくて、そして悲しかったから…。その夜が、元気な東さんの姿を見た最後となってしまいました。―

2010年夏に、今回のメンバーとの会合(飲み会?)に初めて参加したとき、 僕はあるシノプシスを持っていきました。
東さんが亡くなった2000年の夏に書き、ある方に預けていたものです。
『いつか、東京キッドブラザースに関連する舞台が立ち上がったとき、 企画の中の一本として加えてもらえたら…』との想いだけで、一気に 書きあげたものです。幸いにも今回「Sweat&Tears」のメンバーの快諾を得て、このプロジェクトは動き出しました。そのシノプシスをベースに作品創りに向かうつもりです。 もちろん10年以上前のものですから、今の自分を通して、出演する役者に合わせて多くの改訂が・・・もしかすると全部書き直すかもしれません。

したがって、現時点では内容はお話できません。 ちょっとだけヒントと言いますか、イメージを言うならば・・
~大人たちが出会う奇跡の一夜の物語~。
詳細は、もうしばらくお待ちください。

最後に、もしこのプロジェクトを”キッドブラザースの復活“と思って いる方に一言、残念ながら、僕はそれを目指してはいません。 キッドブラザースは“東由多加さんが台本を書き、東由多加さんが演出して 初めてキッドの作品になる”と考えているからです。 ただ、東由多加さんの宝石のようにきらめく台詞たち、一度聞いたら心を 捉えて離さないキッドの名曲たちを、ストーリーの中にちりばめつつ、 僕なりの世界を創るつもりです。 もちろん、キッドの魂はこのプロジェクトに関わる人々全員に、いろんな 形で残されていると信じていますから、その魂たちをすくい出し、まとめて、 一本の作品として形創っていく、これが僕の役割だと確信してます! そうして出来上がった作品を、2012年6月、ぜひ劇場にいらしてご自身で 見届けてくださると嬉しいです!