Sweat & Tears - 東京キッドブラザース44th -メンバーからのメッセージをご紹介いたします。


小野剛民

もう一度、歌いたい。
僕は林邦應に伝えたました。

3年前の12月の夜です。

KIDのミュージカルは東さんの演出でなければ・・・
それは誰もがわかっている。
だったら新しいミュージカルなら・・・
林の作 演出でKIDの歌を蘇らせて欲しいって。

いつからだろう・・・・・そう思ったのは。
僕が初めて東京キッドブラザースの歌を聞いた時にそうであったように、
勇気を、明日を、もらったこの歌達を、もっと沢山の人達に知って欲しい。

・・・そんな大袈裟なものじゃなくていいんです。
本当は、もう一度・・・・・みんなと歌いたかったんです。

IOHで「天使の涙」という8曲の歌とお芝居でつづる音楽劇に出会った時に、
確実に僕の心が動きました。
・・・・・もう一度、歌いたい。
「オリーブの枝」「メーリーゴーランド」「蒼い手」「哀しみのキッチン」「Tomorrow」・・・・・
みんなとKIDの歌が歌いたい。

僕らは、ずっとクスぶっていたんです。

飯山さんが口火を切った2年前の4月の夜。
今、シノプシスからストーリーへと変わり、
【Sweat &Tears ~東京キッドブラザース 44th】の名前と共に、確実に動き出しました。

今の僕らの情熱とKIDの魂を持った叫びが、どうか届きますように。

小野剛民                                


磯部 弘

「いつかまた一緒にやりたいね」
仲間と会う度に、何年も前からそんな会話を続けていた。
東さんの13回忌にあたる今年についに実現する事になったのも、何かの縁だと思っている。
ミーティングを重ね、ユニット名を決めるにあたり、メンバーそれぞれが名前の候補を考えてきた。
でも、どれも今一つしっくり来なかった。
もう一度原点に戻って考えてみる事にした。僕達は、東京キッドブラザースで何をやってきたのか・・・
たどり着いた答えは、『汗と涙』。

僕達は、
稽古場でどれだけの汗と涙を流し、一つの作品を作り上げてきたか。
全国の劇場でどれほどの汗と涙を流し、お客さん達に心を伝えようとしてきたか。
東京キッドブラザースの原点、それは汗と涙だった。
僕達は、ユニット名を全員一致で『Sweat&Tears』に決めた。

そして、今年は劇団創立から44年。今回のメンバーが44期生となるので、
東京キッドブラザース44thと加えた。
これから6月まで、どれほどの汗と涙を流し作品を作り上げていくのだろうか?
あの頃の自分達に恥じぬよう、全力で良い作品に仕上げていく覚悟でいる。
6月を楽しみに待ってて下さい。

磯部 弘                             



長戸 勝彦

道があれば歩けばいい・・・道が無ければつくればいい・・・
誰の道でもない自分の道を・・・。
懐かしさと新鮮な気持ち、そして言葉にならない緊張感が少しずつ俺を支配していく。
触れたくても触れられない小さな箱を取り出してみた。中をゆっくりと覗いてみる。
形のない思い出に話しかけてみても答えは返ってこない。

地下の薄暗い劇場から始まった、別れてしまうための出会い。人は道に迷うと思い出から手放すという。

・・・果たしてそうなのか?明日のために過去を捨てると言うのならば、その明日にはどんな意味があるのだろうか・・・。

もしも、生きるために縋るものが無いと感じたならば思い出せばいい・・・何百回も泣いて何百回も後悔をしたあの頃を。
もしも、追いかけるものを見失ったと感じたならば思い出せばいい・・・何百回も怒り何百回も笑ったあの時を。
だって人は、今居る場所が見えないと自覚した瞬間から新しい道探しが始まるのだから・・・。
劇場でお待ちしています。

長戸勝彦                    



飯山 弘章

この度、懐かしい劇団東京キッドブラザース出身の仲間たちと一緒に念願の舞台に立つこととなりました。
どんな経緯で?!… かと申しますと、それは五年前の平成十八年一月十二日、私とある方との会話からのはじまりでした。
毎年決まってこの日にお会いするというお付き合いをもう二十数年間重ね…その日も夕焼けの富士を眺めながら、ともに杯を傾けておりました。
「今も他のメンバーとは、会っているの?」「え~まぁ、何人かとは・・・」

「そう・・・」「でも最近はなかなか・・・」

「そう、せっかく東さんを通して出会い、ともに過ごした仲間たちが集まって語り合うことがないのは・・・寂しいねぇ。」

「ええ・・・そうですね」そして・・・その三カ月後の東さんの命日に磯部弘君と小野剛民君を誘って、夕刻の原宿駅竹下通改札口で久しぶりに待ち合わせました。あの懐かしい稽古場“ WORK・SHOP ” の近くで一緒に呑み語りたいと思い・・・その日はやはりKIDらしく・・・小雨が降っていました。それからは、毎年の命日にそこに集まることとなっていきました。

メンバーもいつしか・・・磯部君、小野君、長戸勝彦君、水谷あつし君、萩原好峰君と私との六人となっていきました。毎回、懐かしい想い出話は尽きることなく、実に愉しい宴を重ねていきました。そして、別れ際にはいつも決まって・・・『またいつか一緒に何かやれたらいいなぁ』。ですが皆それぞれに忙しく、なかなかその話しは具体的にはなにも進みませんでした。

 

昨年のその日、ちょい早く原宿に向かう車中で・・・私に何かが舞い降りました。『こんな芝居なら、皆んなで出来るのでは!』とあるストーリーが閃きました。タイトルは、『 いつかきっと! 』 ・・・ そして、ひたすらメンバーを待ちました。

磯部君に、小野君に、長戸君に、萩原君に、水谷君にと彼らが席に着くなり夢中で話しまくりました。不思議なことにその日はなぜか一人々が時差で現れ・・・でも皆んなにとっては、あまりに熱心に語るのでしかたなく説得されたような感じだったと今も思っています。が先ずは皆一緒に芝居することにめでたく賛成してくれました。それからは大いに呑み語りあうこととなっていきましたが・・ ・

その盛り上がりのなか、徐々に 不安を感じるようにもなってきました。台詞廻しも、芝居構成も、もっと新鮮でもっと斬新な展開のストーリーでなくては・・と。そこで皆んなにその旨を打ち明けると今は劇団IOHの主宰として数多くの作品を手がけ脚本家&演出家で活躍している林邦應君に相談してみては!? との提案がでて 即打診・・・そして、快く承諾してもらえることとなりました。

こうして、今回の“Sweat & Tears ”のメンバーが揃うこととなりました。

 

公演期間は、来年・・・ くしくも東さんの十三回忌の年にあたる平成24年6月6日(水)から17日(日)までの12日間の予定です。

お芝居の作・演出に関しては、林邦應によるオリジナル作品となります。

いにしえより語りつがれる 『 人生五十年下天のうちに・・・』

その五十歳をまもなく迎える・・・また丁度迎えた・・・とうに超えた・・・平均年齢なんと五十一歳の男どもの新たなドラマの始まりの舞台となります!これまでのそれぞれの歩みの中で培ったものに・・・熱い篤い思いを込めて・・・あの懐かしいKID の名曲の調べとともに今こそ沢山の皆さまに贈り届けよう!!と・・・久しぶりに同じ舞台の板の上に立ちます。

これからの上演までの間には、いくつものハードルを乗り越えていかなくてはなりません。きっと悪戦苦闘奮闘の・・・あの時代と同じ日々となることでしょう。その度ごとに・・・またあの時と同じように・・・多くの皆さんに支えられていくことと思います。

どうか今後ともお力添え、そしてご支援を どうぞよろしくお願いいたします

平成二十三年露月吉日

  飯山弘章